
家庭の排泄物を燃料にした車
人間の排出物で車を走らせる
生き物は食べ物を食べて、栄養を吸収し、排泄します。人間とて同じ事ですが、その排泄物を燃料とする車があります。イギリスで作られたフォルクスワーゲン・ビートルは人間の排出物からでるメタンガスを燃料にして走る車です。70家庭分の排出物で1年分の走行距離とされる約1.6万キロを走行することが可能とのことです。
メタンガス車には問題点も
排出物として処分されるものを使用しているのでメリットがあるメタンガス車ですが、問題点もあります。
- メタンガス漏洩時のリスク(温暖化係数が高い)
- ボンベを積載する車の製造が必要
- メタンガスを流通させるには時間がかかる
1.メタンガス漏洩時のリスク(温暖化係数が高い)
メタンガスは地球温暖化係数と呼ばれる地球温暖化を促進する効果のある気体とされています。二酸化炭素と比べてやく21倍の温暖化に働く力が強いです。これが漏洩した場合、地球温暖化に影響してしまいます。
2.ボンベを安全に積載する車の製造が必要
今回紹介したフォルクスワーゲン・ビートルはもちろんボンベが積載されていますが、この車以外にも多くのボンベを積んだ車を製造する必要があります。(なぜ多くの車が必要かは下で紹介します)また、安全性が確保されないと、街中で安心して運転ができなくなってしまいます。
3.メタンガスを流通させるには時間がかかる
メタンガスを流通させるには、低コストかつ安全に、様々なところで使用できる環境を整備しないと、消費者はメタンガス車を購入しないでしょう。低コスト化を図るためにはまず大量生産を行い、車自体の価格を抑える必要があります。また、メタンガスを車に積むメタンガスステーション(エコステーション)も、多くの車がないことには、設置する企業はでてこないでしょう。また、流通させるネットワークを整備するにはコストと、長い時間が必要です。国策として、政府がリードして行かないと、幅広い流通にはつながることはないでしょう。
らばQ:燃料はなんと家庭の排泄物…エコ過ぎる画期的な車が開発
環境問題に取り組む=食糧問題、にならないようにするために
バイオエタノールが一時はやり、食糧問題にもつながるということがあありました。環境問題について取り組むことは大切ですが、食糧を奪ってまで環境問題に取り組むことは問題であると考えます。その中でも、食糧 にならない材料を使用したバイオエタノール製造というものが進められてきています。少し古いニュースですが、食糧問題にならない環境対策ということで取り上げたいと思います。
三井造船 マレーシアでヤシの実殻を使ったバイオ燃料を製造 – 環境ビジネス.jp
三井造船は、マレーシアにおいて、パーム油の製造工程で排出されるヤシの実殻(Empty Fruit Bunch:EFB)を原料にバイオエタノールを製造する実証事業を開始すると発表した。
~~一部省略~~
同社は、これまでNEDOの共同研究などを通じて、食糧と競合しない植物を原料とする第2世代バイオエタノール製造技術の開発を進めてきた。2010年2月にはデンマークのInbicon社と、ソフトセルロース系バイオマスの水熱法前処理技術に関して技術提携(ライセンス契約)した。デモンストレーションプラントには、Inbicon社技術と同社独自の技術を適用する。Inbicon社は第2世代バイオエタノール製造プラントとしては世界最大規模のパイロットプラントを2009年11月に完工し稼働させている。
食糧と競合しない植物を原料とする第2世代バイオエタノール製造技術というものは大いに研究されていくべき分野でしょう。場合によってはごみ問題の一部解決につながる例も出てくることでしょう。環境問題に大きく関わっていく分野となっていくことでしょう。
犬の糞をごみとせずに、メタンを生み出す原料とする
街中や公園で犬の糞が・・・。しっかり飼い主が処分しなくてはなりませんよね・・・。犬の糞はちゃんとごみとして処分するのが最低限やるべきことではないでしょうか?マサチューセッツ州ケンブリッジでは、ごみとして処分しない方法が検討されているようですが。
犬の糞で公園にガス灯を | WIRED VISION
犬の飼い主たちは、飼い犬の排泄物を特別な生分解性バッグに集め、密閉された円筒形の容器「ダイジェスター」に投げ込む。ダイジェスター内に入った犬の糞は、嫌気性細菌によって分解される。この過程で発生する副産物のメタンは、バルブを通して放出され、燃料として燃焼させることが可能だ。このプロジェクトでは、公園内にある旧式のガス灯の動力燃料として利用される。
~~一部省略~~
米国では現在、ペットの排泄物や人々の食べ残し、植物ゴミなどの有機物はゴミ処分場[埋め立て地]に運ばれており、これらが大気中にメタンを排出している。メタンは強力な温室効果ガスであり、二酸化炭素の約23倍の温室効果をもたらす。
日本では焼却処分されるので、メタンの発生問題はないと思います。しかし、この仕組みを導入することによって、犬の糞がごみから燃料という資源になるわけですよね?導入する費用によっては現段階において割にあわないものとなってしまうかもしれませんが、将来的には重要な装置になっているかもしれませんね。ごみがいつの間にか資源になる。良いシステムです。
食糧問題と競合しないバイオエタノール製造
東北大学と東北電力が技術開発に成功したそうです。
海藻からバイオ燃料 東北大学と東北電力が開発(レスポンス) – Yahoo!ニュース
今回の研究の成果によれば、海洋で最も生産量の多い大型海藻である褐藻類を利用してバイオ燃料、バイオエタノールを生産することが可能となり、生産工程では、複雑な成分に合わせて連続多段階発酵工程で効率よくバイオエタノールを生産することができる。電力会社にとっては、発電所に流入する海藻類を有効に利用することができる。
褐藻に限らず緑藻や紅藻など海藻全般に応用可能で、食物と競合せずにバイオ燃料を製造できるため、世界各国のエネルギー問題に貢献する可能性がある。
やはり、この技術開発によっての一番の効果は、食べ物と競合しないバイオエタノール製造が可能と言うことですね。今までのバイオエタノール製造では、世界で食べ物として生産されていたものを使用していたので、農作物の価格上昇などの影響をもたらしていました。
この技術では食べ物との競合性がないので、食糧を原料としたバイオエタノール製造を、今回の褐藻類を原料としたバイオエタノール製造に移管することによって、食糧問題解消の手助けになるのではないでしょうか?